2026年2月11日 望郷の念
1月末、日本ではもうすっかり正月気分が抜けて、
私は4年連続同じ時期に広州のカバン製造工場に滞在していました。
広州では珍しく10℃以下の天気が数日間続いていました。
工場に向かう道の両側には屋台が並び、豆乳や炒めた米粉の麺の香りが漂ってきます。
屋台の脇の簡易テーブルに客が二人、豆乳を買って、その湯気が顔にかかり、
その湯気で眠気を和らげて、これから一日の作業が始まるのでしょうか。
工場では暖房器具がないため、多くの工員さんたちは厚着で作業しています。
朝8時、縫製ラインにはすでに工員さんがミシンの前に座り、
熟練の縫子さんたちは裁断された生地の端を合わせ、ミシンの針を進めます。
カタカタという音が一定のリズムを響かせ、集中力を切らさないように、
背筋を伸ばし、目を凝らし、一日同じ作業を何十回、何百回と繰り返しています。
午前中はあっという間に過ぎ、昼休みの時間です。
昼休みの時間は日本と違い、90分休憩です。
私はデリバリーサービスを利用して、縫子さんたちと一緒に食べます。
小学校に通う息子さんに都会で流行りの靴を、年老いた両親に効き薬を、、、
仕事中の真剣な顔とは違い、花が咲いているような笑顔で、一緒に食べ進めます。
春節に帰る故郷へのお土産話で盛り上がります。
もし、春節の休み前、仕事に何かトラブルがあったとしても、帰郷の日程調整はしません。
絶対に帰ります。
春節前、日本への商品が出荷ピークに入り、
出稼ぎ工員さんの帰郷、部材などの調達、品質、納期など、
思いもよらないトラブルが神経に障ります。
絶対に不良品を入れてはいけません。
東京に戻り、実家の母から送られてきた手作り料理の動画を見た瞬間、
急に望郷の念に駆られました。
今年も帰ろうかな。

